DCDCコンバータの構成部品にPWMコンパレータがあります。今回は定番のLM393を使用してPWMコンパレータをLTspice上で作成してみます。
・LM393をLTspiceでシミュレーションする方法を知りたい
・PWMコンパレータをディスクリート部品で作りたい。
上記の悩みのある方の参考になれば幸いです。
LTspiceにLM393のモデルを追加する
TIのページにアクセスします。
ダウンロードをクリックします。
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-1024x500.png)
LTspiceのsubフォルダに保存します。
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-1.png)
ダウンロードファイルLM393.5_1をLM393.subに名前を変える。
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-2.png)
LTspiceでLM393.subを開きます。
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-3.png)
.SUBCKT LM393のところで右クリックして、create_symbolを選択します。
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-4.png)
Pin Tableを選びPinの名前を編集します。自分が分かればよいです。
右の図の赤枠がピンの役割を示しています。
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-5.png)
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-14.png)
お好みですが、コンパレータっぽく△を描いて保存して終了です。
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-6.png)
PWM波形生成回路を作る
作成した回路は以下です。
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-8.png)
コンパレータの+入力(INP)にはノコギリ波形を入力します。(DCDCのスイッチング周波数のノコギリ波形です。)
コンパレータの-入力(INN)には固定電圧を入力します。
動作イメージ↓
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-9-1024x504.png)
VCとSLOPEがクロスしたらRSFFのリセット入力がHighになる回路です。そのためRSFFの出力のPWM波形が図のようになるイメージです。
VCの電圧が変化することによってPWM波形のDUTYが変化するみたいな動作が期待値です。
はい結果の波形↓です。
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-10.png)
シミュレーションの全体波形
VC電圧を0->5Vにsweep。
ピンク:PWM電圧波形
青:コンパレータ出力電圧
緑:SLOPE電圧波形
赤:VC電圧波形
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-11.png)
VCが小さい時の拡大波形。
DUTYが細くなる。
ピンク:PWM電圧波形
青:コンパレータ出力電圧
緑:SLOPE電圧波形
赤:VC電圧波形
![](https://kakitamablog.com/wp-content/uploads/2021/05/image-13.png)
VCが大きい時の拡大波形。
DUTYが太くなる。
ピンク:PWM電圧波形
青:コンパレータ出力電圧
緑:SLOPE電圧波形
赤:VC電圧波形
オッケーです。今日は以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この回路を使ってフォワードコンバータを設計したので、そちらの記事も良かったら見てみて下さい。