パワーエレクトロニクスの勉強におすすめの書籍まとめ

パワーエレクトロニクスは扱う専門分野が広いです。

(電源回路、電気・電子回路、電磁気学、制御工学、パワー半導体素子、電池などなど、、、)

この記事ではパワエレの勉強に役立つおすすめ書籍を紹介していきます。紹介するものは全て実際に買って、良かったものを厳選して載せています↓。

書籍を探す際に参考にしていただければ幸いです。

パワーエレクトロニクス

これでなっとくパワーエレクトロニクス

書評

パワエレとは何か?からACDC、DCDCについてまとめてあります。筆者はこの本で三相交流の基礎知識、ベクトル制御の基礎知識を学びました。インバーター、ACDCコンバータの必須知識なので、それらをこれから勉強する方にオススメの書籍です。

エンジニアの悩みを解決 パワーエレクトロニクス

書評

パワエレに関わる素子(ダイオード、パワー半導体、受動部品)に関わる情報が詳しく記載されています。最初の方の素子のフェルミ準位が云々かんぬんのところは”大学の教科書”っぽくて、読むのが結構大変ですが、後ろに行くとすごく実用的な話になります。私は特に7章のインバータの解説や9章、10章あたりの測定方法の解説がとても勉強になりました。こちらもパワエレをこれから勉強する方にはオススメの書籍です。

パワエレ図鑑

書評

パワエレ技術が世の中にどう使われているか?がとても分かりやすく書かれています。私が特に勉強になったのは7章以降です。各分野の常識的なことが分かりやすく書いてあります。

意外と自業務の領域以外にパワエレがどう利用されているか、知らないことが多いです。例えば、太陽光発電ではMPPT制御は常識ですし、電気自動車には普通充電と急速充電があるのも常識ですし、電力系統では無効電力調整するのも常識です。

これらは誰も教えてくれませんので。。。異なる業界の応用事例について知りたい方にオススメの本です。

電源回路

スイッチング電源の原理と設計

書評

スイッチング電源のほとんどの回路について詳しく解説されています。非共振コンバータが多めです。動作原理にとどまらず、設計手法も書かれているのが良いです。新しい回路形式に触れるときに何度も読み返しています。スイッチング電源に携わる方はとりあえず持っておいて損はない本です。

ソフトスイッチングの基礎から応用まで

書評

パワエレに関わる人は一度は見たことがある”平地研究室メモ”が書籍化したものです。共振型コンバータについて体系的にまとめられており、非常にわかりやすい本です。筆者はLLCコンバータを勉強したときにめちゃくちゃ助かりました。共振型コンバータをこれから学ぶという方にオススメです。

DC/DCコンバータの基礎から応用まで

書評

こちらも”平地研究室メモ”が書籍化したものです。DC/DCの主要な回路(非絶縁、絶縁含め)について、動作原理を詳しく記載されています。
私は3章の磁気抵抗に関する解説と変圧器の基礎がとても勉強になりました。
DC/DCを仕事になった人はとりあえず買っといてもいいかなと思います。

スイッチング電源制御設計の基礎

書評

スイッチング電源の制御方法に特化して書かれた本です。これは来世でも買う程の良書です。DCDCってどうやって安定しているのか?を理解して、理論的に位相補償設計が出来るようになります。筆者はこの本でかなり制御ループの理解が深まったと実感しております。残念ながら既に廃版になってしまい、amazonで中古が8000円で売っています。高いなぁという方は図書館で是非借りてみて下さい。

デジタル電源の基礎と設計法

書評

「スイッチング電源制御設計の基礎」の著者が書かれた本です。これも電源回路の制御設計に特化した本です。前半は上の本とほぼ同様の内容(非絶縁コンバータの伝達関数の導出)ですが、後半からPFCコンバータ、LLCコンバータのデジタル制御設計についての書かれています。ACDCコンバータの制御設計を勉強する方にオススメの書籍です。

電源回路設計 成功のカギ

書評

私にとってこの本はピーク電流モード制御のスロープ補償を理解させて貰って、めちゃくちゃ勉強になった本です。
他にもLDO、三端子レギュレータ、スイッチングレギュレータと電源回路についてまんべんなく、詳しく記載されている書籍です。電源屋さんにはオススメの書籍です。

変圧器・トランス

スイッチング電源のコイル/トランス設計

書評

スイッチング電源用のコイル/トランスに関する本はぶっちゃけこれくらいしかないのでは?と思っています。コイル/トランスの基礎知識と設計手法についてわかりやすくまとめられており、また設計例を載せてくれているので理解しやすいです。またトランスを巻く手順をカラー写真で載せてくれているのが非常に参考になりました。絶縁コンバータを勉強する方にオススメです。

電気電子回路

電子回路Ⅰ

書評

筆者は新入社員のときオームの法則すら危うかったので、この本で基礎から学びました。オームの法則、Q=CV、Vl=Ldi/dt、キルヒホッフの法則などをフワフワしている電気回路初心者にオススメです。

CMOSアナログ回路入門

書評

アナログ回路屋さんは全員持っているのではないか?ってくらいよく見る本です。MOSの特性からよく見る回路(OPAMP,バンドギャップリファレンス,カレントミラーなど)まで丁寧に解説されています。CMOSアナログ回路が仕事になった人はどうせ、いつか買います。もう買ってしまいましょう。

定本OPアンプ回路の設計

書評

OPアンプを使う際の基本的な動作原理から保護回路の外付け部品の選定など実用的な内容が豊富に記載されています。OPアンプを使う人にはとても勉強になります。
OPアンプ回路に関わる方には無条件でオススメ出来る書籍です。

制御工学

基礎制御工学

書評

パワエレ回路を動かすためには制御工学の知識が必須です。各半導体メーカーのデータシートやアプリケーションノートの位相補償設計法などは制御工学の前提知識がある前提で書かれています。(前提知識=伝達関数、ラプラス変換、極、ゼロ点、安定性判別法などなど)筆者はこの本で古典制御工学の基礎を学べました。パワエレの回路をどう動かしたらいいの?という人は回り道に思うかもしれませんが、本書がオススメです。

私が持っているのは初版ですが、第二版が出ていますね。

Pythonによる制御工学入門

書評

エクセルでボード線図を描いている方がいたら、即この本を読んでPythonで描くようにしましょう。あなたの大切な時間は伝達関数を実部と虚部に分けるためにあるのではありません。制御系を設計するために使いましょう。

電池

バッテリーマネジメント工学

書評

慶應義塾大学の足立先生の本です。充電器の負荷になるバッテリー、特にリチウムイオン電池に特化した本です。バッテリーの化学的な基礎知識、バッテリーマネジメントの基本、バッテリーのモデリング手法について書かれています。Matlabのサンプルがあるのが良いです。充電器をやる方の良い参考書になると思います。