みなさま、お疲れ様です。本日はLLCコンバータを勉強する記事の8回目です。

1回目:【電源回路】LLCコンバータの動作原理
2回目:【電源回路】LLCコンバータはなぜソフトスイッチングするのか?
3回目:【電源回路】LLCコンバータの出力電圧を計算するpythonスクリプト
4回目:【電源回路】LLCコンバータの設計手順①(パワーラインの設計編)
5回目:【電源回路】LLCコンバータを周波数可変に修正する
6回目:【電源回路】LLCコンバータの周波数特性を調べる
7回目:【電源回路】LLCコンバータの設計手順②(制御設計編)
8回目:【LLCコンバータ】インターリーブ運転のリップル低減効果を確認する(本記事)
9回目:【LLCコンバータ】出力電圧Gvf(s)の周波数特性の負荷依存性を調べる
10回目:【LLCコンバータ】マルチレベル方式LLCコンバータの動作原理
11回目:【LLCコンバータ】LLCコンバータの双方向動作について
12回目:【双方向LLCコンバータ】双方向で電圧調整可能なCLLCコンバータについて解説
13回目:【CLLCコンバータ】LLCとCLLCでは、なぜ出力電圧VSスイッチング周波数の特性が違うのか?
今回はLLCコンバータのインターリーブ運転に関する内容です。
以下の書籍「ソフトスイッチングの基礎から応用まで」では共振周波数frの0.75倍のスイッチング周波数がリップル低減効果が最小になる。と書いてあります。
それを確認しよう。
それ以外の周波数だと、どのくらい低減するの?を確認してみよう。
が本記事の目的です。
確認方法
確認用回路図が以下の通りです。
LLCコンバータを2並列させて90°ずらしてスイッチングさせます。

動作条件や回路定数は過去記事と同じで行きます。
パラメータ | 値 |
---|---|
入力電圧 | 200V |
出力電圧 | 12V |
共振周波数 | 12kHz |
最大負荷電力 | 100W |
パラメータ | 値 |
---|---|
共振コンデンサ容量値Cr | 380[nF] |
漏れインダクタンスLr | 460[uH] |
励磁インダクタンスLm | 2.3[mH] |
巻き線比(N1/N2) | 10 |
この回路でスイッチング周波数を8kHz→12kHzに変化させたときのリップル電流を確認してみようと思います。
スイッチング周波数を変化させると出力電圧が変化してしまうので、出力電圧が変化しないように電源電圧200Vを調整して出力電圧が常に12V、出力電力が常に100Wとなるようにします。
確認結果
スイッチング周波数を8kHz~12kHzまで変化させたときのリップル電流i3を以下に示します。

各周波数のp-p電流値を測定すると以下の通りです。
スイッチング周波数[kHz] | リップル電流[A] |
---|---|
8.0 | 6.21 |
8.5 | 5.10 |
9.0 | 4.18 |
9.5 | 3.47 |
10.0 | 3.17 |
10.5 | 3.02 |
11.0 | 2.89 |
11.5 | 2.88 |
12.0 | 2.85 |
これをグラフ化すると以下の通りです。

ん?あれ?スイッチング周波数=frのときが最小になりました。0.75frは9kHzなのですが、、、そこが最小かと思いましたが、なんででしょうねぇ。わかりませんねぇ。何か条件が違うのかもしれませんね。
ただfr付近であれば、リップル電流の低減効果はそんな変わらないという感じですね。
確認結果をまとめると
- リップル電流はfrが最小となる。
- fr付近であれば、リップル電流の低減効果はほっとんど変わらない。
なぜかは解明してませんが、確認しっぱなしで本記事は終わります(笑)
誰かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!!!