【制御工学基礎】LR回路の伝達関数の求め方を解説

皆様、お疲れ様です。本日はLR回路の伝達関数の求め方を記事にまとめてみようと思います。

こんなのですね↓。

・LR回路の伝達関数の求め方がわからない!

・伝達関数を求めてどうなる?

とお悩みの方の参考になれば幸いです。ではやってみましょう。

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結論:LR回路の伝達関数はこれ。

$$G(s)=\frac{R}{sL+R}$$

求め方の手順は以下の通りです。

求め方

①時間領域tでのvout(t)=~の式を立てる。

②その式を周波数領域に持っていく(ラプラス変換)

③その式をVOUT(s)/VIN(s)の形にする。

過去記事にLC回路やRC回路の伝達関数の求め方を解説しましたが、こんなもん全部やり方は同じです。実際にやってみましょう。

ちなみに伝達関数を求める理由は以下の通りです。

伝達関数を求める理由

・時間tのときの出力値を知りたい!

・時間領域tで計算するとややこしいけど、周波数領域sで計算するとめちゃ簡単に求められる!

LR回路伝達関数の求め方

時間領域で出力=の式を立てる

最初に時間tにおけるvoutはどうなるのかを計算式で表してみましょう。

まず、vout(t)というのは抵抗電圧vr(t)と同じ電圧になりますね。

$$v_{out}(t)=v_r(t)$$

抵抗に流れる電流をir(t)とすると、vr(t)は単純にオームの法則で以下に書き換えれます。

$$v_r(t)=R*i_r(t)$$

つまり出力電圧は以下の式で表されます。

$$v_{out}(t)=R*i_r(t)$$

これでOKです。

じゃあ次は電流ir(t)はどうなるか?を考えます。下図の通り、抵抗に流れる電流はインダクタに流れる電流と同じです。

$$i_r(t)=i_L(t)$$

じゃあ、インダクタ電流はなんぼ?と考えます。高校物理のインダクタの式を思い出します。

$$v_L(t)=L\frac{di_L(t)}{dt}$$

$$\frac{di_L(t)}{dt}=\frac{v_L(t)}{L}$$

VLはインダクタの両端電圧なのでVL=vin(t)-vout(t)なので

$$\frac{di_L(t)}{dt}=\frac{v_{in}(t)-v_{out}(t)}{L}$$

はい。これを先ほどの青枠で囲んだ式に追加しておきましょう。

$$v_{out}(t)=R*i_r(t)$$

$$\frac{di_L(t)}{dt}=\frac{v_{in}(t)-v_{out}(t)}{L}$$

時間領域から周波数領域に持っていく(ラプラス変換)

時間領域から周波数領域に持っていく行為をラプラス変換と言います。ラプラス変換表を見ながら、先ほどの式を変換しましょう。

積分は1/sにラプラス変換できます。

$$\begin{cases}
V_{OUT}(s)=R*I_R(s) \\
sI_L(s)=\frac{V_{IN}(s)-V_{OUT}(s)}{L} \\
\end{cases}$$

これでラプラス変換は終了です。

IRを消してVOUT(s)/VIN(s)=~の形に持っていく

あとは単純計算あるのみです。上の式にir=iLなのでIR(s)にIL(s)を代入します。

$$ V_{OUT}(s)=R* \frac{V_{IN}(s)-V_{OUT}(s)}{sL} $$
$$ V_{OUT}(s)=\frac{R}{sL}VIN(s)- \frac{R}{sL}VOUT(s)$$
$$(1+\frac{R}{sL})V_{OUT}(s)=\frac{R}{sL}VIN(s)$$
$$\frac{V_{OUT}(s)}{VIN(s)}=\frac{\frac{R}{sL}}{1+\frac{R}{sL}}$$
$$G(s)=\frac{R}{sL+R}$$

はい。終わりです。これがLR回路の伝達関数です。

この式どうやって使うの?

LR回路の伝達関数はわかったけどさ、これどうやって使うんよ?って話ですよね。それは最初のモチベーションのところに戻ります。

「時間tにおける出力vout(t)を求めるのに使う!!」

伝達関数を逆変換すると時間関数がでて来ます。

$$G(s)=\frac{R}{sL+R}$$

これをラプラス変換表を見ながら逆変換するためにちょっと式変形します。

分子分母をLで割って

$$G(s)=\frac{\frac{R}{L}}{s+\frac{R}{L}}$$

$$G(s)=\frac{R}{L}\frac{1}{s-(-\frac{R}{L})}$$

$$-\frac{R}{L}=a$$

とすると

$$G(s)= \frac{R}{L} \frac{1}{s-a}$$

これで変換表のNo4が適用できますね。逆変換します。

http://okawa-denshi.jp/techdoc/2-1-4Rapurasuhyou.htmより引用

$$\frac{v_{out}(t)}{v_{in}(t)}=\frac{R}{L}e^{-\frac{R}{L}t}$$

つまり時間tにおける出力vout(t)は以下の式で計算できるということになります。

$$v_{out}(t)= \frac{R}{L}e^{-\frac{R}{L}t} v_{in}(t)$$

かんたんに解く方法

さいごにより簡単に解く方法を紹介しておきます。LをsL、Cを1/sCのインピーダンスと見なして回路を書き直してVOUTを求めると伝達関数が一撃で求まります。

先ほどの回路をL->sLに書きなおしてみます↓。

あとは超簡単です。

VOUT(S)=の式を作ります。VOUT(s)はVIN(s)をsLとRの分圧で出来ています。なので

$$VOUT(s)=\frac{R}{sL+R}*VIN(s)$$

伝達関数=出力(s)/入力(s)なので両辺をVIN(s)で割ります。

$$G(s)=\frac{VOUT(s)}{VIN(s)}=\frac{R}{sL+R}$$

はい。これで終わりです。

本日は以上になります。

誰かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!!!