みなさま、お疲れ様です。
本日は「トーテムポール型ブリッジレスPFCコンバータ」の電圧制御の設計方法を解説してみようと思います。
トーテムポール型ブリッジレスPFCをどうやって動かしたらいいのかさっぱりわからん!
という方の参考になれば幸いです。今回は電圧制御について解説します。では、始めます。
制御イメージ図
やりたいことは“リアクトル電流ILを正弦波にしつつ、出力電圧を一定にすること”です。
具体的なブロック線図が以下です↓。
前回はリアクトル電流ILを正弦波にしました。今回は出力電圧を一定にします。
出力電圧指示値Vrefと出力電圧Voutを比較して、制御器Gcvで指示電流値を上げたり、下げたりします。
制御器はPI制御を使います。
プラント伝達関数
電流制御ループとリアクトル電流->出力電圧の伝達関数Giv(s)を合わせた伝達関数は以下の通りです。
$$\small{
G_{plant}=\frac{\frac{V_{out}}{V_{in}}}{sC}
}$$
ボード線図としては低域から-90deg位相が回り、-20dB/decでゲインが落ちていく感じです。
設計イメージは10Hz付近がクロスオーバー周波数となるように折れ点周波数を低域に置いて、ゲインで調整するって感じです。
ざっくり設定しても動きます。
適当に設定してみる
前回記事でリアクトル電流を正弦波になるように制御した回路図に電圧制御を加えてみます。
条件は出力コンデンサ容量C=1mF、入力電圧Vin=100Vac、出力電圧Vout=200Vとします。
まずプラントの周波数特性を見ます。
低域に極配置したPI制御器を作ります。(今回は適当に電流制御器と同じfz=3Hz、K=0.05にしました。
これらを合成した周波数特性が以下となります。
13Hz付近がゼロクロス周波数で位相余裕度が80deg程度確保できています。
まぁこれで良いとします。
シミュレーションで動作確認
あとは制御器を回路図に反映します↓。
シミュレーション結果が以下の通りです。
狙い通りの出力電圧に安定し、リアクトル電流が正弦波状になっています。問題ないと思います。
はい、本記事は以上となります。
何かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!!