みなさま、お疲れ様です。
本記事は非絶縁降圧スイッチングレギュレータの勉強をしてみよう。という記事の第4回目です。
前回記事でパワーラインのLとCは設定したけど、
↑こんな回路じゃ、動いているとは言えませんね。V1が上昇したり、R1が小さくなったりしたら、出力電圧が一定になってくれません。
状況に応じてDUTY幅を調整しないといけません。
本記事では
・スイッチングレギュレータ(DCDCコンバータ)の動作原理はわかったが、出力電圧がなぜ一定になるかわからない。
・負帰還とか位相補償とかわけわからない言葉が多くて心折れた。
こんな方向けに非絶縁降圧スイッチングレギュレータにおいて
なぜ出力電圧が一定になるのか?
についてわかりやすく解説します。
結論
出力電圧が一定になる理由はフィードバック制御をしているから出力電圧が一定になります。
わかりやすく言うと
出力電圧が下がったら、上がるように
出力電圧が上がったら、下がるように
動かしているから一定になります。
回路的にはこの動きを誤差増幅器(エラーアンプ)を使って実現しています。
フィードバック制御とは
フィードバック制御は出力の状態をモニターして次の動作を計算する制御のことです。
下の絵のように出力電圧を常にモニターしてる人がいるのをイメージして下さい。
この人は常に出力電圧を見て、スイッチングの割合(DUTY)を決めてます。
例えば、出力電圧が下がったらどうなるでしょうか?
①~④の流れで出力電圧が一定に保たれます。
では出力電圧が大きくなったらどうでしょうか?
これも同様に①~④の流れで出力電圧が一定に保たれます。
これがフィードバック制御です。
このように出力電圧を常にモニターして知らせてくれる人を電子回路で実現しています。
実際の回路ではどのように実現しているのか
ざっくり回路図を描くとこのようになります。
この誤差増幅器(エラーアンプ)が出力電圧のモニターをしています。
出力電圧(正確には出力電圧を抵抗分圧した先の電圧)の誤差を増幅して後ろに伝えます。これがフィードバック制御のメインです。
誤差増幅器の先の回路はPWMコンパレータと呼ばれます。誤差増幅器の出力をスイッチON/OFF波形に変換していると思っておけば大丈夫です。
誤差増幅器はどう動くか
誤差増幅器自体はオペアンプです。
なので、+側>ー側だったら誤差増幅器の出力が上がります。
逆に-側>+側だったら誤差増幅器の出力は下がります。
なんでオペアンプがそう動くのかは以下の記事で詳細を説明しています。
良かったら見てみて下さい。
スイッチングレギュレータでは
「-」に出力電圧の分圧をいれて、「+」に一定電圧Vrefを入れて使います。こうするとどう動くでしょうか。
誤差増幅器だけに注目して後を省略するとこんな回路図になります。
誤差増幅器にくっついてた抵抗とコンデンサも省略しました。(あいつらは位相補償用です。難しいので、今は無視です。)
では例えば出力電圧が下がった時の動きを考えてみましょう。
①~④の流れで誤差増幅器「ー」への入力はVrefに近づくようになります。
では次に出力電圧が上がった時の動きを考えてみましょう。
結局誤差増幅器の「-」入力は「+」入力Vrefと同じ電圧に落ち着いていきます。
そうなると抵抗分圧のもとであるVoutも結果的に出力電圧は抵抗比に応じた電圧に落ち着くこととなります。
このように動くことによってスイッチングレギュレータ(DCDCコンバータ)の出力電圧は常に一定に保たれます。
まとめ
今回はスイッチングレギュレータの出力電圧が一定になる理由について解説しました。まとめると
・スイッチングレギュレータ(DCDCコンバータ)の出力電圧が一定になるのはフィードバック制御をしているから。
・回路的には誤差増幅器(エラーアンプ)でその仕組みを実現している。
ということになります。
本記事は以上です。理解の一助となれば、幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました!!!