みなさん、お疲れ様です。前回記事でLLCコンバータの回路をとりあえず作りました。(ほぼレファレンスデザイン)
今回は家庭用電源AC100VからLLCコンバータの電源を作る回路を作りましょうって話です。
タイトル通り全波整流回路を作ります。↓こんな回路ですね。
作成までに疑問だったコンデンサの容量値はどうしたらいいのか?って問題をごちゃごちゃ考えて決めました。
お悩みの方の参考になれば幸いです。
結論_440uFの容量値にしました。
220uFの電解コンデンサを2並列で440uFにします。
判断基準は後段のLLCコンバータの入力範囲90V~180Vに入ってるか否か?です。
上記のシミュレーション結果通り104.4V~138.8Vの間をゆらゆらしており、入力電圧範囲に収まっているので問題なしと判断しました。
以下に色々検討した内容を書いていきます。
AC100Vの100Vは実効値!!
AC100Vの100Vが何か?ってご存じでしょうか。±100Vで揺れてるのではありません。実効値が100Vということです。
実効値とか言うなやわけわからん。と思う方はこう覚えてください。
実際は√2をかけた値が電圧のピークで揺れてる。
つまりAC100Vは100×√2=141.421356[V](ひとよひとよにひとみごろボルト)で東日本は50Hz、西日本は60Hzで揺れてます。
↓こんな感じに。これがAC100Vです。
全波整流回路の動作原理
AC100Vが+にいってるとき
波形的に言うとこの緑エリアです。
このときAC+>AC-なので、D1とD3のダイオードがONして電流が流れます。
AC100Vが-にいってるとき
波形的に言うとこの緑エリアです。
このときAC->AC+なので、D2とD4のダイオードがONして電流が流れます。
DC_100Vってラインには常に同じ方向に電流流れるよね。
だからコンセントって差す向きってどうでもいいんだなぁ。。。
こうやってACコンセントからコンデンサに充電してDC_100Vラインをある程度の電圧に保ちつつ、
負荷I1(LLCコンバータ部分)から電流を引かれてコンデンサが放電されて電圧が落ちちゃってを同時に行っている感じですね。
コンデンサの容量値はどう決めるか?
バケツ(容量値)がでかけりゃでかいほどDC電圧が揺れなくなるのででかいほうがいいと思いますが、でかいと値段が高いので必要最低限のしたいです。
なので問題ない最小値を選びます。
問題ない=「最大負荷電流を引いた時の揺れがLLCの入力電圧範囲内に収まる。」
と考えて値をちまちま変えてシミュレーションしてみました。
負荷電流はいくらになるのか?
LLCコンバータの最大負荷は5Aの電流を引こうとしているので、50% DUTYのLLCコンバータだと2.5Aですかね。DC2.5Aとしときます。
シミュレーション結果
47μFから増やしていきました。※耐圧は200Vにしました。
以下が結果です。
容量値[μF] | DC_100Vのリップル電圧[V] | 判定 | 理由 |
47 | 100.0 | × | 0Vまで落ちちゃってる。 |
68 | 100.0 | × | 0Vまで落ちちゃってる。 |
100 | 92.8 | × | 下限90Vを下回る。 |
150 | 76.5 | × | 下限90Vを下回る。 |
220 | 62.0 | × | 下限90Vを下回る。 |
330 | 38.2 | × | 下限90Vを下回る。 |
440(220*2) | 33.1 | 〇 |
んでシミュレーション結果の波形が最初に示したものです。
今回はこれで以上です。
何かの参考になれば幸いです。
コンセントに差す想定のDCDCコンバータ回路を設計した記事もあるので、良かったら見てみて下さい。