この記事は前回の続きになります。前回はLLCコンバータの定数設定を決定しました。
今回はその定数の回路をLTspiceでシミュレーションしてみます。
この記事ではLTspiceでLLCコンバータのシミュレーション回路を作ろうと苦悶する人間の様を見ることが出来ます。
私と同じように勉強している方が「こんな馬鹿もいるのか。。。」とモチベーション向上に役立てていただければ幸いです。
とりあえず組んでみた回路
とりあえず回路を描いてみました。
1次側はハーフブリッジ構成、2次側は全波整流回路になっています。
電流共振コンデンサ、漏れインダクタンス、励磁インダクタンス、巻き線比は前回決定した値を使用しています。
トランスのインダクタンス値は巻き線比の2乗に比例するので、2次側のインダクタンス値は以下の式で計算します。
$$\frac{L_p}{L_s1}=N^2$$
$$L_s1=\frac{L_p}{N^2}=\frac{75}{7.5^2}=1.333μH$$
スイッチはS1、S2で交互にON/OFFするように設定しています。ON抵抗や寄生容量値は適当です。
スイッチのゲート電圧はこんな感じです。上がH-side(S1)、下がL-side(S2)です。
シミュレーション結果を見てみる
すっげぇ上手く行ってない感がすごい。。。
まずH-side、L-sideに過渡的に1000A以上流れてる。
スイッチ波形がVIN-0Vでスイッチングしておらず、なんかガチャガチャしている。
拡大しました↓
このSWのガチャガチャは何でなんでしょうかねぇ。
SWがガチャガチャする原因を考える
確認事項↓
色々波形を確認
デッドタイム区間中にボディーダイオードを介して電流を流している区間でスイッチングがガチャガチャしている。
電流が0になった直後にバイーンと電圧が飛んでいる。これはトランスに電流が流れなくなったから。トランスに電流が流れなくなるとバイーンと揺れて最終的に出力電圧に落ち着くんだろうと思う。
そもそも励磁電流や共振電流は想定通りなのかい?
こうしてみると大体想定通りに動いている。。。
電流が0になってガチャガチャ!っとならなければある程度想像通りじゃないのか?
なんで電流が0になっちゃうんだよ!!!
本来どうなって欲しいの?
ん~これってダイオードが流れている間にONしなくちゃいけないのにしてないから起きてる現象じゃないの?
デッドタイム時間が長すぎるんじゃないの?
ってかダイオードに流れる電流でかすぎん?
普通にさ36Aとか流れてるじゃん。これリップル電流でかすぎん?
これが1時側に1/N倍されて流れるわけだけど、それってどうなん。。。
試しにデッドタイムを短くしてみました
今まで1us取ってたデッドタイムを0.5usに変更してみました。ON抵抗も0.1mΩから0.1Ωにしてみました。
だいぶいい感じでしょうかね。たまにダイオードがONしてズガシャ!!ってなってますね。
まぁ理想素子だから。。。これを本来のMOSのspice入れてやると変わるのではないでしょうかね。
まぁ一端の動きは良しとします。
まとめ
ダラダラやったとこを書きましたが、とりあえず動く回路は作れました。
課題としては
・リップル電流でかすぎん?
・たまにズガシャ!!って電流流れているのは理想素子だからなの?
って感じでしょうかね。
次回はその辺を検討して定数を調整し直してみましょうかね。。。