みなさま、こんにちは。電池をモデル化してシミュレーション流したい私です。電池をモデル化していくのにまずはOCV vs SOC特性をモデル化しよう!というのが本記事の内容になります。
OCV?SOC?はぁ?何のことよ?って思う方。ざっくり説明しておきますと、
OCV:何にも繋いでない電池の電圧[V]
SOC:電池の充電率[%]
のことです。充電率SOCが下がると電池の電圧OCVが下がっていきます。それをまずはモデル化しよーじゃないかって記事です。
本記事では『OCV vs SOCをモデル化したいけど何したらいいの?』という疑問を解決します。
本記事はこちら↓の書籍を参考にしてPSpice for TIでリチウムイオン電池のモデル化を実践しました。
Liイオン/鉛/NiMH蓄電池の充電&電源技術(TRSP No.135)posted with ヨメレバトランジスタ技術SPECIAL編集部 CQ出版 2017年01月20日頃
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何かの参考になれば幸いです。では始めます。
最終結果はこんな感じ
最終系を先に見せます。回路図はこんな感じです↓。TABLEというセルの入力INがSOCで出力OUTがOCVです。
シミュレーション結果は以下のような感じです↓。横軸がSOC[%]で縦軸がOCV[V]です。横軸が0V,0.2V,0.4V,,,と「V」表示になっているのはすみません。割合に読み替えて下さい。
SOCが10%いかになると急激に電圧が落ちていく。それ以上だと大体電圧は一定でゆっくり右肩上がりになっている。みたいな感じですね。
じゃあ具体的にどういう作業を行ったのか?を次に記載していきます。
作成過程
まずメーカーのデータシートの「OCV vs SOC」のグラフを元にルックアップテーブルを作成してSOC入力に対して決まったOCVを出力するモデルを作ります。
参考書に習ってInfinite Power Solutionsの「MEC201」をモデル化してみます。電池のデータシートから以下の表を引用します。
これを以下の表にします。
SOC[%] | OCV[V] | SOC[%] | OCV[V] |
---|---|---|---|
0.1 | 0.1 | 20 | 3.9 |
0.24 | 1.6 | 30 | 3.905 |
0.37 | 3.22 | 40 | 3.912 |
0.52 | 3.36 | 50 | 3.925 |
0.75 | 3.48 | 60 | 3.945 |
0.98 | 3.6 | 70 | 3.973 |
1.3 | 3.7 | 80 | 4 |
1.85 | 3.785 | 90 | 4.03 |
2.9 | 3.84 | 100 | 4.06 |
4.0 | 3.86 | 110 | 4.094 |
6.0 | 3.885 | ||
10 | 3.893 |
ここからPSpiceのABM(Analog Behavior Model)のTABLEに落とし込んでいきます。
TABLEの記載方法はこちらに記事にしています。参考にして下さい。
Propertyに先ほどの表の数値をせこせこと入力しきったら終わりです↓。
動かしてみます。INに0->1まで値を振って入れてみると最初の結果が得られます。問題ねぇですね。
今回はこれで以上です。
参考資料
本記事は以下の書籍の内容を参考にPspice for TIでリチウムイオン電池のOCV vs SOC特性をモデル化してみました。
Liイオン/鉛/NiMH蓄電池の充電&電源技術(TRSP No.135)posted with ヨメレバトランジスタ技術SPECIAL編集部 CQ出版 2017年01月20日頃
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以上です。何かの参考になれば幸いです。最後までお読み頂きありがとうございました。