[電気回路基礎]コイルの逆起電力について知ってほしい

みなさん、お疲れ様です。

まずこの回路を見て下さい。

この回路を見て

「は?だから何?」

「なんも問題ねぇじゃん。」

と思ってブラウザバックをしようとした方向けの記事となります。

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知ってほしいこと

この記事で理解して欲しいことは

・コイルには逆起電力がある

・逆起電力が発生する回路は注意が必要

ということです。

逆起電力とは

言葉では言える人が多いのではないでしょうか。

「逆起電力とは、コイルが電流を流し続けようとする力こと。または電流を流そうとするとそれを妨げる力のこと。」

つまり電流が流れていないコイルに電圧をかけると電流は流れるのを妨げる方向に逆起電力が働きじわーっと上がっていきます。

逆に電流が流れてる状態のコイルから電圧を下げるとコイルは電流を流し続けようと逆起電力が働きじわーっと下がっていきます。

これがコイルの逆起電力です。

さっきの回路で逆起電力の何が問題なのか

では、何が問題なのか順番に想像してみましょう。

スイッチがONしたときL1に流れる電流はじわーっと上がっていき、最終的に電圧とコイルの抵抗値で割った電流値が流れます。

この時電流は電源から供給されています。

はい。問題ありませんね。

次です。スイッチがOFFしたとき、コイルは今まで流れていた電流を流し続けようとします。

このときコイルには誰が電流を流すのでしょうか?

スイッチがOFFしているので、L1に電源は繋がりません。

供給元はありませんがコイルは電流を流し続けようとします。

シミュレーションで確認

百聞は一見に如かずということで、シミュレーションを流してみましょう。

以下に波形を示します。

I(L1):コイル電流V(v1):コイル端電圧、V(vsw):スイッチON/OFF電圧

「ふーん。スイッチがOFFしたときは供給元が断たれるから、電流はスパッと流れなくなるんかぁ。。。」

違う!!!そこじゃない!!!!

ここ見て!!!ここ!!!!コイル端の電圧がばっこーんって下に行っているのがわかると思います。

レンジを広げます。

はい。-40Vまで行ってます。

もっともっとレンジを広げます。

はい。-9900000Vまで落ちてます。

今回はシミュレーションで理想素子と理想電源を使って大袈裟な結果が出ましたが、現実では-9900Vになる前にどっかの部品がぶっ壊れます。

これは逆起電力で電流を引き続けようとするけど、供給元がないため電流がこない。だけど、コイルは電流を吸って吸ってコイル端の電圧がばっこーんと下がってしまっています。これが逆起電力で注意が必要な点です。

対策

電流を流す経路がないから発生する問題なので、電流を流す経路を作ってあげれば問題ありません。

ダイオードを入れることによって、OFF時にダイオードから電流を流し、負電圧がダイオードのVf分で止まっています。

まとめ

コイルは逆起電力が発生するので、電力を遮断するときはそのときにコイルに残ったエネルギーをどう消費してやるかを考えたうえで回路を作成する必要があります。

そうしないと最悪逆起電力による電子部品の破壊に至る可能性があります。

怖いですね。

以上です。何かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!!