コモンモードチョークコイルはこんな感じでEMCフィルタに置いてありますね↓。
実際はこんな形をしています↓。
このコモンモードチョークコイルはノーマルモード(IN+~IN-間)にはほぼ効きませんが、コモンモード(IN+~アース間,IN-~アース間)に効きます。
え?普通のインダクタならノーマルモードにも効きそうだけど、なぜ効かないの?という悩みに回答してみようと思います。
結論:ノーマルモードでは磁界が打ち消し合うから
ノーマルモード(=ディファレンシャルモード)ノイズは電流がこのようにIN+から回路を通ってIN-に流れます。
すると、右ねじの法則で磁界は下図のように発生します。
コアの磁界下図のようになります。
打ち消しあう方向に磁界が発生しています。
そのためノーマルモードではコモンモードチョークコイルはほとんど意味をなさないです。
逆にコモンモードノイズはIN+からアース、IN-からアースへの電流経路になるため、強め合う方向に磁界が発生します。
したがって、コモンモードチョークコイルはノーマルモードでは効かないが、コモンモードには効く。となります。
以上です。
何かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!
参考資料
ノイズ対策の基礎 【第6回】 コモンモードチョークコイル | 村田製作所 技術記事
村田製作所に関する技術記事をご紹介しています。