みなさま、お疲れ様です。
インバータの回路はこれですね。基本形としてよく見ます。
しかし、ふと専門書を見てみると、こんな回路になってませんか?
なんで突然リアクトルを上下に分割挿入しているの?
と疑問について考えてみようと思います。
Lを分割挿入するとノイズ性能が良くなる!
まぁ大方の予想通りではありますが、ノイズに良くなるからですね。
でもなんで良くなるんでしょうか?
それを考えてみようと思います。
まずどういう経路でノイズが発生するかというと、分割なしと分割ありでそれぞれ以下のようになります。
このGNDに繋がっているコンデンサは寄生容量です。スイッチングすることでこのコンデンサに向かって電流が抜けていくのが、コモンモードノイズとなります。
それぞれをコモンモード(GNDに立って)で回路を簡略化していきます。
まずスイッチング素子を省略して、寄生容量を合体させて描きます。
①はフルブリッジの左LEGの中間点、②はフルブリッジの右LEGの中間点です。
①、②がバッタンバッタンと電圧が上下してノイズが発生しています。
コモンモードから見るとき、P-N,①-②は短絡して考えるので、短絡させます。
両方ともXコンデンサと負荷は意味をなしてませんので、省略します。
また、L分割なしのLは短絡されていて意味ないので、これも省略します。
Lの並列は1/2される。そしてCの並列は2倍されます。これを適用してさらに簡略化すると、以下のようになります。
この通り、コモンモードから見るとL分割ありの場合はLが入っていることになります。
一方L分割なしの場合はノイズ源から出力までツーツーになってます。
これが一般的にLを分割する理由だと考えます。
要するにLを分割するとノイズに強くなる。ってことです。
まとめ
- Lを分割挿入するとノイズが良くなる。
- 等価回路でコモンモードから見るとLがノイズ源と出力の間にあるように見える。
ということでLは分割して配置しましょう。以上で終わります。
誰かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!!!