どうも、今日は5Vを12Vに変換する回路を作成します。といってもめちゃくちゃ簡単な構成で作成します。
こんなんです。↓
V_5が5Vの変換する対象の信号です。
V_12が12V電源です。
本記事ではこの回路の動作原理と私の作成した回路の動作確認結果、設計上の注意点を記事にしたいと思います。
手軽にレベル変換をしたい。
少々の消費電流増加は無視できる。
という方向けの回路かなと思ってます。そんな方の参考になれば幸いです。
回路の動作原理解説
High信号が入力されたときの動作解説
Low信号が入力されたときの動作解説
はい。ではこの回路をLTspiceで作成して動作確認してみます。
【準備】NMOS 2N7000をLTspiceに追加する
今回NMOSはON semiconductorの2N7000を使用します。
理由は手に入れやすいからです。秋月電子で1個20円で売ってます。
まずはspice modelをダウンロードしてLTspiceにsymbolを追加していきます。
2N7000のspice modelはON semiconductorのサイト(こちら)からダウンロードします。
以下の画像の赤枠です。
ダウンロードファイル(2N7000.REV0.LIB)をLTspiceXVII/lib/subの下に移動します。
LTspiceの開くボタンから
先ほどのファイルを開きます。(ALL Filesにしたら見えます。)
.subckt 2n7000のところで右クリックしCreate SymbolをクリックしてSymbolを作成します。
Symbol Editorが起動するので、適当にNMOSっぽくしました。
保存して終わりです。
シミュレーションで動作確認
こんな感じですね。問題なく入力のV_5電圧がOUTPUTで12Vに変換されています。
この回路の注意点
最後にこの回路の注意点を2点ほど。
消費電流がでかい
NMOSがONのときにドーンと電流が流れます。電源電圧とR2の抵抗で決定する電流が流れます。
じゃあ、抵抗値上げれば電流小さくなるじゃん!
は次の注意点です。
プルアップ抵抗が大きいとOFFのときの遷移スピードが遅くなる
実際に見てみましょう。抵抗値を10kΩにしました。
抵抗=1kΩ
抵抗=10kΩ
V_5がOFFしたときに青色のVd(NMOSドレイン電圧)が上昇するスピードが遅くなっているのがわかるでしょうか。
単純にRCフィルターのRをデカくしたら波形がなまるのと同じイメージです。
これによりNOTゲートが反転するスピードが若干ずれます。そのため実際の信号よりOFFが遅い、つまりON期間が長い信号が出力されます。
ON/OFFを繰り返す回路には注意かなと思います。
まとめ
今日は3素子で作る5V->12Vレベルシフタ回路を作成しました。
回路電流に課題はありますが、電子工作には簡単で素子数が少ない(=安い)ので良いかなと思います。
以上です。何かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。