【電子回路】ヒステリシス付きコンパレータの回路と動作原理をわかりやすく解説

みなさま、お疲れ様です。

本日はヒステリシス付きコンパレータの解説をしてみようと思います。こんな回路です↓。

ヒステリシス付きコンパレータ回路図(LTspice)
  • 適当なヒステリシス付きコンパレータが欲しい。
  • これってなんでヒステリシスが付くの?

という方の参考になれば幸いです。

では始めます。

スポンサーリンク

結論 どう動くのか?

まず上の回路のシミュレーション結果を示します。

ヒステリシス付きコンパレータのシミュレーション波形

ヒステリシスがついて出力電圧が切り替わっています。

この出力切り替わるタイミングの入力電圧は以下の式で計算できます。

LowからHighへの切り替わり時

$$V_{in}=V_{ref}+\frac{R_1}{R_2}(V_{ref}-V_L)$$

Vin:入力電圧[V]
Vref:基準電圧[V]
VL:Low時の出力電圧[V]

この例では6Vが切り替わり電圧になります。

HighからLowへの切り替わり時

$$V_{in}=V_{ref}+\frac{R_1}{R_2}(V_{ref}-V_H)$$

VH:High時の出力電圧[V]

この例では4Vが切り替わり電圧になります。

ではなぜこうなるのか?を解説します。

なぜヒステリシスが付くのか?

まず前提として、Vx地点がVrefになったタイミングで切り替わります。
Vx>Vrefであれば出力電圧がHighで
Vx<Vrefであれば出力電圧がLowになります。

出力電圧がLow->Highへ切り替わるとき

回路図に電流経路と電圧の記号を書いてみます。

Low->Highの切り替わり

R1に流れる電流は以下の式で計算できます。オームの法則ですね。

$$I_1=\frac{V_{in}-V_x}{R_1}$$

同じようにR2に流れる電流は以下の式で計算できます。

$$I_1=\frac{V_x-V_L}{R_2}$$

両方ともI1なので=でつなぎます。

$$\frac{V_{in}-V_x}{R_1}=\frac{V_x-V_L}{R_2}$$

これをVin=に直すと以下の式になります。

$$V_{in}=V_x+\frac{R_1}{R_2}(V_x-V_L)$$

そして先ほど述べた通りVx=Vrefのタイミングで切り替わりますので、以下の式が得られます。

$$V_{in}=V_{ref}+\frac{R_1}{R_2}(V_{ref}-V_L)$$

出力電圧がHigh->Lowへ切り替わるとき

まぁ先ほどと同様です。VLがVHに変わっただけです。

途中式は省略して以下の式で計算することが出来ます。

$$V_{in}=V_{ref}+\frac{R_1}{R_2}(V_{ref}-V_H)$$

はい、以上です。

誰かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!!