【単相PFCコンバータ】昇圧型PFCコンバータの電圧ループの設計

PFCコンバータむずいです。

本記事は勉強がてらAC100Vを200Vへ昇圧するCCMモードPFCコンバータを設計してみようという記事の4回目です。

前回まではとりあえず電流ループの設計をして(1回目)、力率の計算方法を勉強して(2回目)、電流追従性を改善しました(3回目)。

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1回目:【単相PFCコンバータ】昇圧型PFCコンバータの電流ループの設計
2回目:力率の求め方
3回目:【単相PFCコンバータ】コントローラー回路の修正と電流追従性の改善
4回目:【単相PFCコンバータ】昇圧型PFCコンバータの電圧ループの設計(本記事)

今日は出力電圧のループ設計をしてみようと思います。

ではやってみましょう。

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電圧制御ループのブロック線図と伝達関数

ブロック線図

前記事までは赤枠の電流制御ループの話でした。今回は青枠の電圧制御ループを設計します。

ごちゃごちゃしているので、まるっとまとめるとこうです↓。

ブロック線図②

このGplant_vはここの文献から引っ張ってくると以下の式になります。

$$\small{
G_{plantv}=\frac{V_{in}}{V_{out}}\frac{\frac{R}{2}}{1+\frac{sC_oR_o}{2}}\\
G_{plantv}=\frac{V_{in}}{V_{out}}\frac{1}{sC_o}
}$$

上の式が抵抗負荷接続時の伝達関数で下の式が固定電力負荷の伝達関数です。

どっち使えばいいの?って感じですが、どっちでもいいです。たぶん。実際にボード線図引いてみると、ほぼ同じ周波数特性となります。

ボード線図確認用回路
シミュレーション結果(上:ゲイン、下:位相)
緑:抵抗負荷
赤:定電力負荷

めっちゃ低域で位相が回るポイントにずれがありますが、ある程度高周波帯域ではどちらも90deg回ってゲインが同じように落ちていくという点は同じです。

10Hz~20Hzくらいにゼロクロス周波数を持ってくるようにコントローラーを設計するのが定跡のようです。

コントローラーを設計

2pole1zeroの補償器を使いました。

回路図
DCゲイン=5、ゼロ周波数=5Hz、ポール周波数=20Hz

一旦試しにやってみたらいい感じに位相余裕度が取りました。

これで実回路を動かしてみます。

実回路で動作確認

回路図

まず入力電圧をAC電源にしました。

入力電源部分

出力電圧フィードバック回路が以下の通りです。

電圧フィードバック部

シミュレーション結果が以下の通りです。

シミュレーション結果

ん~やっぱり電流波形がガチャッとなりますね。

しかし出力電圧は狙いの200Vに収束しているし、電流はAC60Hzに頑張って追従しようとしていて、やりたいことはやろうとしてそうです。

まぁとりあえず動いたってことで良しとします。

やっぱり難しいですねぇ。

誰かの参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!!