皆さん、お疲れ様です。
今日は『スイッチング電源の原理と設計』という技術書の書評をしてみたいと思います。これっすね↓。価格は4600円【税別】ですね。はい。
4600円ということでちょっと高めですね。
でも、私にとっては4600円以上の価値が十分にありました。
購入の目的
「絶縁タイプのスイッチング電源を勉強したい。」が目的でした。
当時の自分のレベルは非絶縁タイプのDCDCの原理はわかっているけど、絶縁タイプのDCDCの原理が良く分かってない。みたいな状況でした。
なので、中身をぱら~っと見て良さげだな。と思って、買いました。
良いところ
非絶縁、絶縁非共振、絶縁共振の動作原理が詳しく解説されている
非絶縁タイプの降圧、昇圧、昇降圧コンバータ
絶縁タイプのリンギングチョーク、フライバック、フォワード、プッシュプル、ハーフブリッジ、フルブリッジコンバータ
絶縁タイプの電圧共振、電流共振、部分共振コンバータ
とほぼ全部なんじゃね?くらいのコンバータの動作原理が解説されています。
図や動作波形を豊富に載せて解説してくれているので、わかりやすいです。
導出式が豊富
導出式が豊富です。嬉しいです。
よく「え?この式からこの式へはどうなってこうなったの?」ということがあるのですが、この本はそれがかなり少ないです。
ゼロではなかったですが、それはまぁ私の実力次第のところですね。。。
設計方法が載っている
これも嬉しいです。実際、トポロジーだけ説明されても使えないんですよね。
この本には実践的な設計方法が載ってます。
非絶縁降圧、リンギングチョーク、フライバック、フォワード、電流共振の設計方法が解説されています。
それも「こう計算しますよ。」じゃなくて、「例えばこの仕様で作るとしますね。それだとこうなります。」と解説してくれてます。
ありがたやです。
微妙なところ
制御設計については載ってない
まぁそういう本じゃないといってしまえばそれまでですが、制御設計については解説されていません。
スイッチング電源を使うときは出力電圧をフィードバックかけて、位相補償回路を調整して、安定性を確保して、過渡特性を確認して、、、っとありますが、
この本ではそこは解説されていません。
でも付録Cに降圧DCDCの状態方程式の導出式が載ってます。(この式使ってフィードバック系を考えるんですよ実際はね。ということかなと感じました。)
まとめ
個人的にはスイッチング電源に関わる人や原理を知りたい、設計したい人にはとても良い本です。
☆4としておきます。
☆0:怒りを覚えるレベルで得られるものなし。
☆1:買うんじゃなかった。
☆2:買わんでも良かったけど、まぁいっか。
☆3:まぁまぁところどころ役にたった。
☆4:値段以上の価値あり。買う。
☆5:役に立ち過ぎた。来世でも買う。
悩まれているかたのの参考になれば幸いです。