みなさま、お疲れ様です。
本日はこの回路↓を取り上げてどう動くのか解説します。V-Fコンバータです。
- とりあえず簡単なV-Fコンバータが欲しい
- これどうやって動くん?
という方の参考になれば幸いです。
どう動くのか?
積分回路+ヒステリシス付きコンパレータを組み合わせた回路です。とりあえず↑この回路のシミュレーション結果を示します。
青色が出力の波形です。入力電圧に応じて周波数が変化して、矩形波を出力します。電圧を周波数に変換しているので、V-Fコンバータですね。
なぜこんな動きをするのか?を簡単に言うと、、、
積分回路でC1を充電
→integ電圧上昇
→integ電圧がヒス付きコンパレータの閾値を超える
→ヒス付きコンパレータが反転してS1がON
→C1を放電
→integ電圧低下
→integ電圧がヒス付きコンパレータの閾値を下回る
→ヒス付きコンパレータが反転してS1がOFF
→積分回路でC1を充電
→以下繰り返し。。。
という感じで動きます。
動作原理
この回路は積分回路とヒステリシス付きコンパレータを使っています。それらは別記事で解説していますので、良く分からないという方は読んでみて下さい。
充電時間(Tcharge)+放電時間(Tdischarge)=1周期です。周波数は単純に逆数なので以下の式で計算できます。
$$\small{
T=T_{charge}+T_{discharge}\\
f=\frac{1}{T}=\frac{1}{T_{charge}+T_{discharge}}
}$$
Tcharge、Tdischargeの時間が分かれば周波数がわかります。ではそれぞれどうなるのか?を考えます。
コンデンサ充電時
まず充電時です。
出力がLOWでコンデンサにくっついているスイッチがOFFしてます。
上記の赤矢印方向に電流が流れてC1を充電します。充電によりinteg電圧が上昇します。
integ電圧の上昇時間は以下の式で計算できます。
$$\small{
V_{integ}=\frac{V_{ref}-V_{in}}{R_1}*\frac{1}{C_1}t
}$$
Vinteg:出力電圧[V]
Vref:基準電圧(オペアンプの正入力)[V]
Vin:入力電圧[V]
t:時間[sec]
今回はVrefは0Vなので
$$\small{
V_{integ}=\frac{0-V_{in}}{R_1}*\frac{1}{C_1}t
}$$
こうですね。それで今は入力電圧を-5Vを入力、R1=1kΩ、C1=100nFを入れてみます。
$$\small{
V_{integ}=\frac{5}{1k}*\frac{1}{100n}t\\
V_{integ}=5*10^{4}*t
}$$
今回はコンパレータの閾値を6Vと4Vにしています。なのでΔは2Vです。そのΔ分を充電したら放電に切り替わります。つまり、、、充電時間Tchargeは以下の式で計算できます。
$$\small{
T_{charge}=V_{integ}\frac{R_1}{V_{ref}-V_{in}}*C_1
}$$
今回の例では
$$\small{
T_{charge}=\frac{2}{5*10^{4}}=40[usec]
}$$
ですね。シミュレーション結果を見てみると
画面小さいですが、青色でハッチングしている値が41.47usecです。まぁ大体あってますね。
integが6Vを超えるとコンパレータが反転してスイッチがONして放電に移行します。
コンデンサ放電時
スイッチを介してC1の電荷が放電されて、integ電圧が減少します。電圧上昇時間はスイッチのON抵抗とC1のRC回路で決まります。
計算がめんどくさいので、シミュレーションでディスチャージ時間がどうなるかを見てみます。
放電時間は入力電圧に依存せずにずっと一定なので、まぁ計算式は要らんかなと。
まとめると
〇充電時間
$$\small{
T_{charge}=V_{integ}\frac{R_1}{V_{ref}-V_{in}}*C_1
}$$
〇放電時間
RCで決まる時定数で一定。
となります。したがって周波数は充電時間を操作することで変化します。
具体的には入力電圧が下がると充電電流が大きくなり、充電時間が短くなります。つまり周波数が速くなります。
逆に入力電圧が上がると充電電流が小さくなり、充電時間が長くなります。つまり周波数が遅くなります。
はい、本日は以上です。
誰かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!!