みなさま、お疲れ様です。
本記事ではオペアンプの反転増幅回路の動作原理について解説してみようと思います。
反転増幅回路はこんな回路です↓。
- 反転増幅回路の出力電圧はどう決まるのか?
- なぜそうなるのか?
と疑問をお持ちの方の参考になれば幸いです。
【結論】出力電圧がどう決まるのか?
最初に結論です。この回路の出力電圧は以下の式で決まります。
$$\small{
V_{o}=V_{ref}-\frac{R_2}{R_1}V_{in}
}$$
例えば、Vref=2.5VでR1=10kΩでR2=1kΩだとすると、、、
「2.5Vを中心にして入力電圧を1/10にして±反転して出力する。」
という動きをすることになります。
なぜそうなるのか?
では、なぜそうなるのか?を考えてみます。イマジナリーショートを使えば一撃です。
イマジナリーショートとはオペアンプをネガティブフィードバック(マイナス端子に出力をフィードバック)していたら、入力端子の+と-が同じ電圧になるという魔法のような現象です。
つまりこうです↓。
+端子電圧は簡単に計算できます。Vrefの抵抗分圧です。
$$\small{
V_{in+}=\frac{R_1}{R_1+R_2}V_{ref}
}$$
これがイマジナリーショート(仮想接地)の影響でオペアンプの-端子電圧も同じ電圧になります。
$$\small{
V_{in-}=\frac{R_1}{R_1+R_2}V_{ref}
}$$
ここで、キルヒホッフの法則を考えます。キルヒホッフの法則は「経路が分かれても電流の合計は入り口と同じになるよ。」って法則です。
つまり、以下の図のi1とi2は同じ電流値になります。
「え?オペアンプの-端子に電流が流れこまないの?」と思うかもですが、これは流れこまないです。なぜかというとオペアンプの入力端子はMOSFETのゲート端子に繋がっているからです。
まぁ流れこまないもんと思って頂ければよいです。
とにかくi1=i2になるってことで、オームの法則でi1とi2を書き換えます。
$$\small{
i_1=i_2\\
\frac{V_{in}- \frac{R_1}{R_1+R_2}V_{ref} }{R_1} = \frac{\frac{R_1}{R_1+R_2}V_{ref} – V_o }{R_2}
}$$
この式を頑張って解きます。
$$\small{
\frac{R_2}{R_1} \left( V_{in}- \frac{R_1}{R_1+R_2}V_{ref} \right) = \frac{R_1}{R_1+R_2}V_{ref} – V_o\\
V_o= \frac{R_1}{R_1+R_2}V_{ref} – \frac{R_2}{R_1} \left( V_{in}- \frac{R_1}{R_1+R_2}V_{ref} \right) \\
V_o= \frac{R_1}{R_1+R_2}V_{ref} – \frac{R_2}{R_1}V_{in} + \frac{R_2}{R_1+R_2}V_{ref}
}$$
あとちょっと。
$$\small{
V_o= \frac{R_1+R_2}{R_1+R_2}V_{ref} – \frac{R_2}{R_1}V_{in}
}$$
つまり、、、
$$\small{
V_o= V_{ref} – \frac{R_2}{R_1}V_{in}
}$$
はい、最初の式が出てきました。以上で本記事は終わります。
誰かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!!!