ヒートシンクの体積をどう見積もったらいいんだ?
ということについて勉強していきます。
ヒートシンクの体積を見積もる式
早々に結論ですが、ヒートシンク体積は以下の式で見積もることが出来ます。
$$\small{
Vol_{heatsink}=\frac{1}{Rth_{(f-a)}*CSPI}
}$$
Vol_heatsink:ヒートシンクの体積[L]、Rth_(f-a):ヒートシンクの熱抵抗[℃/W]、CSPI:Cooling System Performance Index
ヒートシンクに要求される熱抵抗値Rth_(f-a)は以下の計算式で計算できます。
$$
\small{
Rth_{(f-a)}=\frac{Tj-Ta}{Ploss}-(Rth_{(jc)}+Rth_{(cf})
}
$$
Tj:ジャンクション温度[℃]、Ta:周囲温度[℃]、Ploss:損失[W]、Rth_(jc):ジャンクション-チップ間熱抵抗[℃/W]、Rth_(cf):チップ-ヒートシンク間熱抵抗[℃/W]
この式は納得できる感じです。
素子がTjに至らないようにRthf-aを設定しないとダメだよね。って計算する感じですね。
CSPIとは?
Cooling System Performance Indexです。「単位体積当たりの熱抵抗の逆数」です。
$$\small{
CSPI=\frac{1}{Rth_{(f-a)}*Vol_{heatsink}}
}$$
この式で定義する指標です。
この式を見るとRthが小さい(=冷却性能が良い)とCSPIが大きくなり
Vol_heatsinkが小さい(=サイズが小さい)とCSPIが大きくなります。
なので、サイズが小さくて、良く冷やせるものはCSPIの値が大きくなるってことですね。
逆に言うと、CSPIを仮に値を決めてやると、ヒートシンク体積の概算値が予想できる。ってことです。
自然空冷の場合はCSPI=1~4、強制空冷の場合はCSPI=5~10に設定するらしいです。(根拠はわからん。経験ですかね。)
強制水冷だといくつが最適なのでしょうか。こちらの資料のP11を見ると40kWのシステムでCSPI=270となってます。強制水冷システムだといくつぐらいが最適なのかは現時点では良く分からないですw
参考資料
入力電流と電力脈動補償のハイブリッド変調による磁気素子共用形 DC-単相 AC コンバータの高パワー密度化(PDFファイルがダウンロードされます。)