ども。フォワードコンバータの設計をやっていきます。
今回はフォワードコンバータをLTspiceでシミュレーションしてみたので、ご報告します。
フォワードコンバータのとりあえず動く回路が欲しい!!
とお悩みの方には参考になるかもしれません。
そもそもフォワードコンバータって何?
絶縁型のスイッチングレギュレータです。
回路構成はこんな感じです。
非絶縁の降圧スイッチングレギュレータ(チョッパー型ですかね?)を絶縁型にしたみたいな回路ですね。
動作モードもM1のON/OFFのみです。ONのときはD1から電流が出力に流れて、OFFのときはD2から電流が出力に流れて~っと非絶縁降圧スイッチングレギュレータと同様の動きをします。
ほぼ降圧にしか使われません。
用途としてはAC/DCコンバータなどに使用されるそうです。知らんけど。(^^)
電力容量としてはフライバックより大きくてハーフブリッジ、プッシュプル、フルブリッジよりは小さいみたいなイメージでいます。(適当^^)
仕様と回路パラメータ
コンセントに差して使うことを想定しており、以下の仕様としました。
項目 | 記号 | min | typ | max | 単位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
入力電圧 | Vin | 90 | 140 | 180 | V | AC電源をDCに整流した後を想定しています。 |
出力電圧 | Vout | – | 24 | – | V | 精度は今のところ不問としています。 |
出力電流 | Iout | – | 5 | 10 | A | 最大240Wですね。 |
スイッチング周波数 | fsw | – | 100 | – | kHz | ばらつきは不問としています。 |
上記の仕様から以下の回路パラメータに決定しました。(詳細決定はまた別記事に記載しようと思います。)
項目 | 記号 | 内容 | 単位 | 備考 |
---|---|---|---|---|
コア形状 | – | EIコア35 | – | みなさんどこでコア購入しているんでしょうか。 |
1次側巻き線数 | N1 | 13 | turns | |
2次側巻き線数 | N2 | 8 | turns | |
巻き線比 | N | 1.625 | – | |
1次側インダクタンス | Lp | 0.642 | mH | 巻き線数とコアのパラメータ(AL-value)で計算される |
2次側インダクタンス | Ln | 0.395 | mH | 巻き線数とコアのパラメータ(AL-value)で計算される |
出力インダクタンス | Lout | 150 | uH | 出力リップル電流から計算します。 |
出力コンデンサ | Cout | 220 | uF | 適当です。 |
シミュレーション回路図
R2,C2,D3はD1がOFFしたときの逆起電力を逃がすためのスナバ回路です。定数は適当で、シミュレーションの結果を見ながら定数を調整する予定です。
M1はLTspice内であった400V耐圧のパワーMOSFETです。選定は適当です。一旦動かしたい目的です。実際は購入しやすいものを選んでそれに取り換える予定です。
V2でスイッチのON/OFFを制御しています。
右下の「.param」記述で入出力電圧、スイッチング周波数からスイッチングdutyを計算している記述です。
シミュレーション結果
出力電圧が狙い通り24V付近に来ています。(誤差はありますがフィードバック制御を入れたらうまいこと合わせてくれるでしょう。)
気にしないといけないポイントはVsw_1stとVLsにかかる高電圧です。
これはD1がOFFしたときにトランスに電流が流れなくなり逆起電力が発生するためです。
スナバ回路を調整して(Rを小さく、Cを大きく)して許容範囲にしていこうと思います。
一応シミュレーション回路を上げておきます。フォワードコンバータの動きを見て見たい方に参考になれば幸いです。
はい。以上です。最後まで読んで頂きありがとうございました!
フィードバック回路を含めたフォワードコンバータを設計したので、そちらの記事も良かったら見てみて下さい。