皆様、お疲れ様です。IGBTがありますよね。
ゲート電圧をいれて、上(コレクタ)から下(エミッタ)へ電流が流れます。
逆方向は電流は流れません。エミッタ→コレクタへは電流は流れないので、還流用ダイオードが付いてます。
なんでIGBTはエミッタ→コレクタへ電流が流れないのでしょうか?
この疑問にすぐ回答できない方に向けて理由を解説してみようと思います。
等価回路で説明
IGBTはInsulated Gate Bipolar Transistorの略です。「絶縁ゲートバイポーラトランジスタ」です。
IGBTを等価回路で表現すると以下のように「絶縁ゲートを持ったバイポーラトランジスタ」となります。
簡単に言うと「PNPトランジスタのベース端子にNMOSがくっついてる」のがIGBTですね。
通常の使い方の場合、何が起きて電流が流れるのか?
通常はゲート電圧を印可してコレクタからエミッタに向かって電流が流れます。
このとき等価回路では、
- ゲート電圧が印可される。
- MOSFETがONしてドレイン->ソースに電流が流れる。
- PNPのベース電流が流れる。
- ベース電流×増幅率(hFE)倍の電流がコレクタ->エミッタに流れる。
というように電流が流れます。
逆方向に流そうとしたら
P->Nへの電流が流れたら、PNPの電流がドンッ!と流れるということはエミッタ->ベースに電流が流れる必要があります。
エミッタからベースへ電流が流れるにはエミッタ電圧>ベース電圧である必要があります。
でもそれだと電流は下側に電流が流れません。流れるためにはベース電圧が上がらないといけません。
そうするとエミッタ->ベースに電流が流れなくなります。
という感じで逆方向には電流は流れません。
IGBTの縦構造で説明
IGBTは以下のような縦構造をしています。
通常の使い方の場合
上図で通常時の電流の流れ方を示しています。
- ゲートに電圧が印可される。
- チャネルが形成されて、コレクタからP→Nへ電流が流れる。
- PNP Trのベース電流が流れたので、コレクタ-エミッタ間をhFE倍された電流が流れる。
といった感じで電流が流れます。
逆方向に流そうとしたら
逆に流そうとしているのでコレクタ-エミッタ間に逆バイアスをかけています。要するにエミッタ電圧の方が大きい状態にしています。
最初にエミッタからPNを通ってベース電流を流したいところですが、そのエミッタ端子から入ってきた電流の流れ先がありません。
コレクタ側にはN→Pなので流れないし、ゲートは絶縁されているので。
なので電流は流れることが出来ません。
はい、本記事は以上です。何かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!