みなさま、お疲れ様です。本記事では
直流重畳特性って何?
という方向けに直流重畳特性とは何なのか?なぜ起きるのか?を解説します。
直流重畳特性とは?
とても簡単です。
コイルに電流が流れるとインダクタンス値が低下していきます。それが直流重畳特性です。
例えば、こちらのデータシートを見るとP3に直流重畳特性のグラフがあります。
例えば330uH品は2Aを超えるとインダクタンス値が減少していきます。これが直流重畳特性です。
なぜ直流重畳特性が起きるのか?
ひとことで言うと電流が大きくなると起磁力Hが大きくなるからです。
え?はい???起磁力???
って感じだと思うので、順番に解説します。
まずコイルのインダクタンス値は以下の式で決まります。
$$\small{
L=\frac{μN^2}{C_1}[H]
}$$
μ:透磁率、N:巻き線数、C1:コア定数
コア定数は実効磁路長leと実効断面積Aeで決まる定数です。まぁ形状で決まる定数って感じです。
NとC1は変化しない値です。
電流を流すと透磁率μが変化します。μは以下の式で決まります。
$$\small{
μ=\frac{B}{H}
}$$
H:起磁力[A/m]、磁束密度B[T]
このBとHにはB-H曲線と呼ばれる特性があります。こんな感じのグラフです↓。
この起磁力Hは電流が大きくなると大きくなります。
したがって、電流が大きくなってB-H曲線が飽和する領域に達すると傾きである透磁率μが小さくなってしまう。
結果的にインダクタンス値が小さくなってしまう。という話です。
はい、以上です。
何かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!