前記事でミラー効果について解説したので、ゲートドライバ関連で次はブートストラップ回路を解説します。
ハーフブリッジ型の回路で、H-side MOSFETのゲートを叩くのに電源電圧+ゲート電圧の電源を作らないといけません。そのための回路です。
この回路の動作について解説してみようと思います。
直感的な動作原理
まずL-side MOSFETがONすることで始まります。
L-side MOSFETがONすることで、Vsw電圧は0Vとなります。するとVregからダイオードを介して、コンデンサに充電されます。
この充電でコンデンサ電圧はVregまで充電されます。
次にL-side MOSFETがOFFして、H-side MOSFETがONします。
ショットキーダイオードは逆バイアスなので、OFFします。ゲートドライバにはブートストラップコンデンサから電流を供給し、H-side MOSFETのゲートを駆動します。
あとはまたL-side MOSFETがONして充電して~を繰り返します。
適当に回路を作って動作確認してみる
なんとなく回路動作を把握するために、こんな回路を作りました。
M1のMOSFETをON/OFFさせて、OFF時にSW電圧が0Vに落ちて、ブートストラップコンデンサC1に充電、ON時にコンデンサC1から1kΩの抵抗で放電する。って回路です。
C1容量値は適当です。
試しにM1を10kHzでON/OFFさせます。そうするとシミュレーション結果は以下のようになります。
このようにH-sideがOFFしたら充電されて、H-sideがONしたら1kΩの抵抗を介して放電しています。
1kΩの抵抗をゲートドライバ回路にして、MOSFETのゲート端子に繋げたら、DCDCが動いてくれるはずですね。
設計するときのポイント
ざっとポイントを挙げると以下の通りです。
- ダイオードはショットキーバリアダイオードにする。(損失低下)
- コンデンサ容量値はゲートドライバの消費電流を加味して、電圧があんま落ちないようにする。
- コンデンサは温特、DCバイアス特性を考慮する。
- 充電時に大電流が流れるので、制限抵抗を入れる。
- 過電圧保護用にコンデンサに並列でツェナーダイオードを入れとく。
まぁこんなんでしょうか。結構適当にコンデンサを設定してもまぁ動きます。
はい、以上です。何かの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!